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TOLTA ZERO (2006年4月)

toltazero

TOLTA・マニフェスト

B判規格の紙の長い一辺を、中心で二つ折りしたとき、正方形になるくらいの適当な幅をとる。
長い辺に平行に、紙をカットする。
二つに折る。
できあがったものが「だいたい正方形」である。
これが、中綴じ二つ折り製本族であるわれわれの、基本理念となる。

 

ノート・コピー用紙・ファイルケース。モノを書く媒体は、A判・B判という規格に占拠されている。半分に切っても切っても、元の形と同じ比率、同じ形をとる規格の、機能性と最高のかっこわるさに、われわれは飽きた。
ATLからTOLTAへ、われわれは移行する。
われわれは裁断機を手に入れる。
われわれは「だいたい正方形」へと移行する。

 
「TOLTA ZERO」はトルタが作成した最初の冊子である。
 
ヴァーバル・アート・ユニットTOLTA(トルタ)は2006年4月、河野聡子、南谷奉良、山田亮太の3人で開始した。3人とも首都大学東京(旧東京都立大学)の批評系学生サークル「ATL」(アートル)の2005年度卒業生であり、TOLTA(トルタ)という名称は、ATL(アートル)に文字を追加し、変形するうちに生まれたものである。ATL卒業後も継続的に創作活動を発表する場として構想され、まず創刊準備号として卒業後間もない2006年4月に「TOLTA-ZERO」(トルタ・ゼロ)を発行する。ユニットの開始にあたり、上記のマニフェストを巻頭に掲載した。当時、A・B判型の形に飽きていた河野が「正方形の本にしたい」と主張したため、上記のようにまとめられた。なお「中綴じ二つ折り製本族」とは、リソグラフ印刷と中綴じホッチキス止めで制作する完全手製本にかける誇りとうんざり加減を表現したものである。

 

「TOLTA ZERO(創刊準備号)」
2006年4月22日発行
価格:無料、発行部数:100
責任編集+装丁 河野聡子
20ページ、タント紙、OA用紙、中綴じ二つ折りホチキス止め製本、リソグラフ印刷
Contents:
【詩】
「ドミノ」南谷奉良
「カエル夫妻」「カタログ5」山田亮太
「マーチ」河野聡子
 
 
 

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