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トルタトランスミッター (2012年3月30日)

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これは書物が世界を移動するためのシステムです。
ある日、あなたのもとへ、1冊の書物が届けられます。
書物を受け取ったあなたは、書物の伝達装置として、べつの誰かへ書物を届けます。

 

書物、なんていってるが、問題は詩集をどうやって動かすかということなのだ。詩集は商業の通路にほとんどのらないし、詩集を誰かのために買ったり贈ったりすることは、詩人以外にとってはなにやら微妙な色合いのつきまとう出来事なのに違いない。気恥ずかしかったりするかもしれないし、思い入れが強すぎるかもしれないし、渡した相手に思い入れが強すぎると思われるのがいやかもしれない。詩集をベストセラーのミステリみたいに「これ面白かったから読んでみて」と言える人がどのくらいいるのだろう。
もちろん、そんな人がいないわけじゃない。それにどうして詩集はベストセラーのミステリみたいにいかないのか、という問題もあるけれど、それはさておき、詩と偶然出会えるようなシステムがないのだ。詩集が流通してないわけじゃない。詩集は、これをてらいも気兼ねもなく適当にやりとりできる人の間にはうんざりするほど流通しているのだ。でもその枠を一歩超えるとどこにも行くことができなくなる。詩が眼中にない人が詩集と偶然出会うことなんて、とてもとても難しい。

 

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そこで、どこの誰とも知らない人に詩集が偶然わたるような仕組みを試してみようと思った。河野の詩集『Japan Quake Map -Sapporoによるヴァリエーション』の発行と同時に、詩集と、詩集をどこかの誰かに届けるための指示書と、転送するための封筒と、送り元の地名を記入する地図を一緒にして、国内20か所、海外2か所の知人に送った。転送用の封筒には切手が貼ってある。
 
これは送りっぱなしのシステムなので、どうなったのかさっぱりわからない。誰かの郵便物の山に埋もれて捨てられてしまったかもしれないし、思いもかけないくらい遠くまで行ったかもしれない。日本語だけだから、あまり遠くにいったらわけがわからないと思うけど。とりあえず、夢だけはある。

 

「トルタトランスミッター」
2012年3月30日~
日本国内と世界のどこか
トルタトランスミッター

 

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