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トルタオーディオブック (2011年6月12日)

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あなたの人生において、これまでに一度も見たことのない、これからも二度と手に入れることのできない「本」を販売します。2011年6月12日 大田区産業プラザPio 第12回文学フリマ TOLTA (エ-40)

 

即売会の会場に「必ず会場内で開封してください」と書かれた封筒がある。
看板には「文学フリマ限定販売/トルタオーディオブック 500円/*この本は文学フリマ会場内でのみ体験できます。所要時間は約30分間です。」と書いてある。

 

「なんですかこれは?」
「この会場内でのみ体験できる本です。約30分間、ここでしか得られない体験をしていただくことができます。」
「封筒の中には何が入っているのですか?」
「この本を体験していただくための三つの指令が入っています。指令に従ってある行動をとっていただくことになります。」
「何を体験するのですか?」
「詳しくは申し上げられませんが、オーディオブックですので、会場を歩きながらたくさんの言葉を聴くことになるかと思います。」

 

参加者=読者は500円を渡し、封筒を手に入れる。
封筒を開くと一枚の紙と二つの小さな封筒(緑の封筒と青い封筒)が入っている。

 

指令1
トルタオーディオブックへようこそ。
いまから、三つの指令に順に従って行動してください。
これは指令1です。
この会場のいろいろな場所に10名のスピーカー(言葉を発する人)がいます。
彼らはこのようなしるしのあるバッグを持っています
 
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彼らを探し、声をかけてください。
スピーカーはあなたのためだけに詩や短歌、その他の作品を聴かせてくれるでしょう。
作品を聴き終えたら、スピーカーからカードをもらってください。
カードを3枚集めたら緑色の封筒を開けてください。

 

読者は目印を探して歩きはじめる。
 
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オーディオブック=耳で聞く本である。「トルタオーディオブック」は、「会場内に散らばった10人のスピーカー(大崎清夏、カニエ・ナハ、金子鉄夫、斉藤斎藤、橘上、中田健太郎、久石ソナ、文月悠光、ブリングル、雪舟えま)が詩を語る声を聞く」という「本」を文学フリマという場所で展開した。現場となった「文学フリマ」は、文学に特化した自主流通作品の即売会である。ここには「本」を作る人、「本」が好きな人が集まる。そして会場内で出会う10人のスピーカーが語る言葉は、スピーカーとその前にいる人だけの「内密の話」であり、そういった形式でしか展開できないような作品になるはずだ。狙いはスピーカーと参加者の間で、語りのたびごとに「本」のひとつの章を立ち上がらせることだった。

 

その一方で、こんなことを即売会でやっていいのかとびくびくしてもいた。ところが反響は思ったより良く、100人以上がこの妙な「本」を購入してくれたし、会場の中で最後まで指示を追ってくれた人もその半数以上いた。この手ごたえは「本」という概念がどこまで拡張できるのか、という試みをさらに後押しするものになったと思う。

 

 

トルタオーディオブック
2011年6月12日
スピーカー:大崎清夏、カニエ・ナハ、金子鉄夫、斉藤斎藤、橘上、中田健太郎、久石ソナ、文月悠光、ブリングル、雪舟えま
トルタ:河野聡子、山田亮太、関口文子

 

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