ジャイアントフィールド・ジャイアントブック (2009年12月)
「ジャイアントフィールド・ジャイアントブック」はトルタメンバー山田亮太の詩集『ジャイアントフィールド』(思潮社、2009年5月)を素材に使ったアンソロジー詩集である。一般に紙の詩集の商業出版は非常にまれであり、ほとんどの詩集は自費出版の形で出される。著者は100冊単位で詩集を買い取りあちこちに献本する。つまり、詩を書き本の1冊も出したなら、良く知らない人からも詩集が送られてくることになる。しかし、どこの馬の骨ともわからない者の詩集など、いったいどのくらい読まれるだろう。
…といったことを念頭に置き、「ジャイアントフィールド・ジャイアントブック」は制作された。詩集『ジャイアントフィールド』から抜き出した言葉を執筆者にひとつずつ振り分け、その言葉を使った詩を書いてもらうよう依頼した。依頼は詩集『ジャイアントフィールド』を献本した約150名に行い、最終的に60名に詩を寄せていただいた。これによって詩集『ジャイアントフィールド』の中の言葉を、いわばジャイアントに拡大することを狙ったのだ。
装丁はままごと喫茶のデザイナー、門倉未来さんにお願いした。文芸雑誌のイメージにとらわれず、思いっきりやってください、と頼んだところ、上下左右ばらばらで天地無用のデザインがあがってきた。この本はくるくる回すか、自分が回りながら読まなくてはならない。あるいは無重力空間で読むとよい。
「ジャイアントフィールド・ジャイアントブック」
2009年12月6日発行
発行部数 500
価格:1000円
編集 河野聡子
装丁 ままごと喫茶・門倉未来 &ティルマン
印刷 レトロ印刷JAM
A4判角丸加工 2色刷り孔版印刷、ミシン糸綴じ、40p
60篇の詩を収録したアンソロジー
執筆者:赤羽なつみ、阿部嘉昭、新井豊美、飯田保文、一方井亜稀、伊武トーマ、今橋愛、今唯ケンタロウ、 海埜今日子、及川俊哉、小笠原鳥類、小川三郎、柏木麻里、粕谷栄市、蒲生啓介、川口晴美、岸田将幸、 木下奏、久谷雉、倉田比羽子、倉橋健一、小峰慎也、斉藤恵子、佐次田哲、佐藤勇介、清水あすか、 生野毅、白鳥央堂、瀬尾育生、添田馨、高村而葉、竹内敏喜、橘上、田中宏輔、田中庸介、谷川俊太郎、 塚越祐佳、手塚敦史、田原、中右史子、永澤康太、野村喜和夫、支倉隆子、広田修、藤富保男、正津勉、 松本秀文、水島英己、三角みづ紀、峯澤典子、望月遊馬、森悠紀、森川雅美、八木幹夫、八木忠英、 八潮れん、ヤリタミサコ 、吉原洋一、渡辺めぐみ、渡辺玄英