トルテッポウ (2008年7月)
生きているもののためだけの道具を手にしたとしてその
想像でしか知らない重みに耐えるだけの決意で
あなたは書くか
はっけよい
両国と言えば相撲であり、相撲といえば「てっぽう」(柱や稽古相手の力士に対して張り手を行う稽古法)である。両国・大江戸博物館の会議室で開かれた即売会イベント「東京ポエケット2008」への出店にあたり、フリーペーパーを紙でっぽうの折り紙にして配布した。東京ポエケットは詩人のイベントであり、出展者・来場者のほとんどは詩人である。そのため外側の各折り面には「詩人タイプ判定テスト」を掲載した。質問に答えることでその人の詩のタイプがわかるようになっている。ポエケットでの配布時、紙でっぽうをパンパン鳴らしていると、ある来場者に「作品をそんな風に扱うものじゃない」と怒られたが、そういうものだろうか。使ってこそ詩は生きるのであり、じっと置いて飾るものではない。
「トルテッポウ」
2008年7月13日発行(東京ポエケット2008で配布)
デザイン 河野聡子
紙でっぽう型フリーペーパー
メンバーの5行詩+「詩人タイプ判定テスト」、「てっぽう」を主題にしたエッセイを掲載
詩人タイプ判定テスト(回答)
タイプP~ピストル型詩人~
タイプPのあなたは、いつでもふところに強力な詩行をしのばせています。読者には一見穏やかに近づいていき、油断したところをズドンと一発お見舞いするのが得意です。手元の詩句は多くありませんが、相手へ確実に言葉が届くまで十分にひきつけてから発射すれば命中率に問題はなく、環境にもやさしいでしょう。曲打ちや早撃ちなど、華麗で人を驚かす技を磨くのも一興です。
タイプL~ライフル型詩人
タイプLのあなたは、工夫をこらし考え抜いた詩行で狙った場所から相手を確実に狙撃するスマートなスタイルを特徴とします。気づかぬうちにあなたの詩にこころ撃たれ、気づいたときはもう手遅れ、という読者も多いでしょう。ただ技巧に走りすぎるあまり、あなたの詩にかける情熱を感じ取れない人もなかにはいるかもしれません。ときには近くから撃ってみるのもいい経験になるでしょう。
タイプM~マシンガン型詩人~
息つく間もなく強烈な詩行を繰り出すあなたは、タイプM。狙いを定めた詩句を順を追ってじっくり書き継ぐよりも、高速に発射される詩句のどれかに読者が当たるのを狙います。弾を切らさないよう、普段から詩句のストックにつとめましょう。また飽きがこないよう、弾の勢いが単調にならない努力をすることも大切です。
タイプT~大砲型詩人~
どかんと大きな砲弾を放つあなたこそ、まさにタイプT。狙ったものに命中するとはかぎりませんが、たとえ狙っていなくても、当ったときの威力は絶大です。ひとつひとつの詩行ではなく詩全体で訴えかけるため、真ん中に的中しなくても破壊力があります。ただし完全に外れる場合もある上、すぐ次の弾が発射できないのが難点です。見当違いの場所に発射しないよう、命中率アップをこころがけましょう。