プロジェクトパフォーマンス「マスを埋める」と『この宇宙以外の場所』について
11月25日に発売したTOLTAの新刊詩集『この宇宙以外の場所』ですが、12月13日をもちましてTOLTAでは在庫切れとなりました。ただ入手先がなくなったわけではなく、劇作家岸井大輔さんの新刊『あそびとつくりごと1 戯曲は作品であると東京の条件とそのほかの戯曲』を12月25日までにご予約いただくと、特典として本詩集が付属することになっています。また岸井さんのイベントでも販売される予定です。
どうしてこんなことになったのか。まず第一に、すでに紙の本をご購入いただいて解説を読まれた方はご存知のはずですが、実は『この宇宙以外の場所』の制作には岸井さんの戯曲「好きにやることのコメディー」にヒントを得た部分が多数あるのです。岸井大輔さんとは面識が一切なかったのですが、解説で引用していることもあり、このたび初めてご連絡をさしあげたところ、この詩集が(いうなれば)戯曲「好きにやることのコメディー」の「上演例」となっているということで、岸井さんの新刊付録にしたいというお申し出がありました。そのために残り在庫がすべて必要ということになりまして、最初に書いたような事態となったのです。
なお『この宇宙以外の場所』は諸般の事情により増刷の予定はありません。なので今からこの本が欲しいという方は、岸井大輔さんの方へお申し込みください。2500円で岸井さんの新刊と、『この宇宙以外の場所』と、他に特典が2つセットになったものをお求めになれます。詳細はこちらをご覧ください。
「豪華3特典つき!新刊本『あそびとつくりごと1 戯曲は作品であると東京の条件とそのほかの戯曲』予約受付中」
https://plaza.rakuten.co.jp/kishii/diary/201812130000/
詩集が演劇の上演となるとは普通に考えれば奇妙なことではあります。しかし、これも解説の一部に書いたことですが、ほんとうのところ、詩集『この宇宙以外の場所』とは、TOLTAが今年行った「プロジェクトパフォーマンス:マスを埋める」の一部というべきものなのです。
こうなった経緯などはすべて解説にありますので、知りたい方は岸井さんから本をお買い求めいただきたいのですが、あらましだけ書いておきますと、TOLTAのプロジェクトパフォーマンス「マスを埋める」は以下のようなかたちで今年の7月から行われました。
1.Googleのスプレッドシートを利用し、四人で二か月間好き勝手にマスを埋める。(2018.7.1~8.31)
2.マスを埋めた言葉を並び替える。(2018.9)
3.マスを埋めた言葉が詩になる。(2018.9)
4.題名ができ、詩集の草稿が完成する。(2018.9.20)
5.詩を一篇毎に画像化し、インターネットで公開する。(2018.10.1~)
6.紙の詩集を欲しがる人をインターネットで募集する。(2018.10.1~)
7.詩を音声化する。(2018.10.8)
8.音声化した詩を映像と組み合わせる。(2018.10.9~)
9.映像をインターネットで公開する。(2018.10.17~)
10.紙の詩集を欲しがる人が定数に達したので、紙の詩集を作ることを決める。(2018.10.20)
11.紙の詩集をデザインする。(2018.10.23~31)
12.紙の詩集のための解説を書く。(2018.11.2)
13.紙の詩集が完成する(2018.11.18)
14.紙の詩集を売る(2018.11.25)
15.解説で作品を引用した岸井大輔氏に紙の詩集を謹呈する(2018.11.28)
16.岸井大輔氏に紙の詩集の残部をすべて売る(2018.12.13)
『この宇宙以外の場所』の解説には12の「紙の詩集のための解説を書く」までが記載されています。このパフォーマンスは紙の詩集が出たあとも続き、そして、今回の岸井さんの介入により完了したといえるでしょう――おそらくは。これもまたひとつの「上演」といってよいものだと思います。
岸井大輔さんについては「変なことをやってる劇作家」として、作品を通してしか知りませんでした。今回ご連絡を差し上げると岸井さんの方もTOLTAの作品をご存じで、とんとん拍子でこんな風に話が進行しまして、このことを大変うれしく思っています。作品というのは常に、直接知らない観客や読者にあてたラブレターのような側面があるように思いますが、たがいに目隠しをしたままラブレターを受け取りあっていたかのような感じです。
なお、来年1月5日と6日、北千住Buoyで岸井さんのイベントがあります。『この宇宙以外の場所』も会場で販売されるとのことです。TOLTAも遊びに行く予定です。
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PLAYSANDWORKS旗揚げ&新春企画
『あそびとつくりごと1「戯曲は作品である+東京の条件ほか」』新版発刊記念の2日間
司会:佐藤朋子(アーティスト)山田カイル(演出家・ドラマトゥルク)
1月5日(土)
11時―12時30分
手紙演劇2期よりスピンオフ「うたいたくなくて死んだお姫様のはなし」
バージョン1 木村玲奈(ダンサー・振付家)
バージョン2 巡礼コースを増やす会議 武久絵里(彫刻家)鈴木千尋 岸井大輔(劇作家) ほか(この会議は、1月6日(日)21時まで続きます。)
12時30分―15時
休憩時間企画 米光一成さんお勧めの最新ボードゲームを、斉藤桂太と遊ぼう!(*米光さんはいません)
15時―17時
トークセッション1
内野儀(パフォーマンス研究)×岸井大輔(劇作家)
「戯曲と作品を再定義するーポストコンテンポラリーアートを巡ってー」
18時―20時
岸井戯曲を上演するin東京#1「かり」
バージョンA 辻村優子(俳優)
バージョンB 佐藤朋子(アーティスト)
バージョンC キヨスヨネスク(俳優)
1月6日(日)
11時―13時
休憩時間企画 米光一成さんお勧めの最新ボードゲームを、斉藤桂太と遊ぼう!(*米光さんはいません)
13時―15時
岸井戯曲を上演するin東京#1「かり」
バージョンA 辻村優子(俳優)
バージョンB 佐藤朋子(アーティスト)
バージョンC キヨスヨネスク(俳優)
15時―18時
休憩時間企画 米光一成さんお勧めの最新ボードゲームを、斉藤桂太と遊ぼう!(*米光さんはいません)
18時―20時
トークセッション2
成河(俳優)×羽鳥嘉郎(演出家)×岸井大輔(劇作家)
「よい劇に立ち会うこと」ー『集まると使える』発刊記念イベントー
20時―21時
手紙演劇2期よりスピンオフ
「うたいたくなくて死んだお姫様の話」
バージョン1 木村玲奈(ダンス)
バージョン2 巡礼コースを増やす会議 結果発表 武久絵里(彫刻家)鈴木千尋 岸井大輔(劇作家) ほか
会場:北千住BUoY(東京都足立区千住仲町49−11)
出入り自由の通し券
当日 3500円
前売 3000円(2018年12月25日までにメールにて予約)
各イベントは当日2500円、前売り2000円。
お問合せ coplaysandworks(a)gmail.com((a)を@にしてください。)
https://plaza.rakuten.co.jp/kishii/diary/201811190001/