トルタの国語 (2009年5月)
創刊準備号から「だいたい正方形」というサイズを基本にして本を作ってきた。しかしここで正方形でない、規格サイズの本を作るとしたら、いったい何をするべきか。こう考えたときに「教科書」というメディアが思い浮かんだ。国語の教科書は私たちが生涯のはじめに接する「規格本」の代表格であり、そこには小説、詩、評論、短歌など、様々なジャンルの言葉が掲載されている。もっとも近年、詩の掲載は少なくなっており、また授業で取り上げられることも減っているという。それなら自分たちの「国語教科書」を作ってみたらどうか。そういうわけで文部科学省非検定教科書である「トルタの国語」が誕生した。教科書体フォントの遠慮ない使用、各単元の問題文、漢字練習帳といった教科書ならではの遊びを満喫した本になった。
「トルタの国語」
2009年5月10日発行
発行部数 500
価格:500円
責任編集+装丁 河野聡子
挿画 表紙・もくじ 文月悠光/本文・扉イラスト カワムライクヨ
B5判 オフセット印刷、フルカラー表紙、全136ページ
ゲスト:今橋愛、黒川陽子、白鳥央堂、武田肇、田中庸介、藤原安紀子、文月悠光、安川奈緒、和合亮一
Contents:
■思考をあらわす、考え・体験を伝える 散文■
【評論―闘うことば】エッセ・エレクトリック 安川奈緒
【映画を紹介する、感想を書く】 踊っているのは誰 佐次田哲
【エッセイのたのしみ】未確認飛行物体 和合亮一
■無限小の大海へ―短歌と俳句■
【こころを文字にするために】ちいさなことばのおおきな冒険―短歌と俳句 今橋愛
【歌人の肖像】斎藤茂吉の生涯 田中庸介
【俳句―無限へむかうみちすじ】私が知っているマトリューシュカ―Matryoshka Dolls I Have Known 武田肇
■小説と戯曲で踊る■
【小説のたくらみ】下の子 黒川陽子
【戯曲】ジャイアントフィールド・ジャイアントテキスト オツベルと象 山田亮太
■遊ぶ学ぶつくる 詩のことば■
【詩作品を楽しむ】
戯び 文月悠光/reflection 藤原安紀子/傘 河野聡子
ジャイアントフィールド・ジャイアントテキスト、竹・走れメロス 山田亮太
【詩をとりまく場所――詩誌との関わり】いつか「欄外」に発ってしまう、きみへ 白鳥央堂
【どのように詩を読むか】詩のセンター試験 南谷奉良
■その他
この本の使い方、学習の手引き/ことばの流通路/表現の技術―紙面の構成
■トルタのおまけ
トルタ全漢字一覧/トルタの漢字練習帳